「お金がない」と言い張る相手や、財産を別の口座に移して隠そうとする相手の言い分を切り崩すための、より具体的な調査方法です。
- 弁護士会照会(23条照会)の活用
- 弁護士に依頼している場合、弁護士会を通じて銀行やクレジットカード会社、携帯電話会社などに情報開示を求めることができます。例えば、相手のスマホの決済履歴や課金履歴、通帳の過去の履歴から「隠し口座への送金跡」や「一定の収入がある証拠」を掴むことが可能です。
- 税務署への「確定申告書」等 lap 照会(裁判所経由)
- 相手が自営業で収入を過少申告している(所得隠しをしている)疑いがある場合、裁判所の「調査嘱託」などの手続きを使い、税務署や市区町村から実際の課税証明書や確定申告書の控えを取り寄せることができます。これにより、外車に乗っているのに「所得ゼロ」と主張するような矛盾を暴けます。
- SNSの証拠保全
- 盲点になりやすいのが相手のSNS(Instagram、X、Facebookなど)です。「高級クラブで遊んでいる」「新しい車を買った」「旅行に行っている」といった投稿は、相手に十分な支払能力(資力)があることを裁判所に示す間接的な証拠になります。あらかじめスクリーンショットなどで保存しておくことが鉄則です。
費用倒れを防ぐ「ローコスト」な戦い方
「養育費を回収したいけれど、弁護士費用で赤字になっては意味がない」という不安を解消するためのコスト管理術です。
- 法テラス(日本司法支援センター)の「費用立て替え」
- 収入が一定基準以下の場合、法テラスを利用すれば弁護士費用を格安に抑えられ、さらにその費用を毎月 $5,000$ 円〜 $10,000$ 円程度の分割払いにすることができます。場合によっては(生活保護受給者など)、支払いが免除されることもあります。
- 自分でできる「履行勧告」を活用する
- 手元に調停調書や審判書があるなら、まずは裁判所に「履行勧告(りこうかんこく)」を申し立てます。これは裁判所が相手に「払いなさい」と電話や書面で指導してくれる制度で、費用は無料(切手代程度)です。これだけでビビって払う相手も少なくありません。
- 弁護士への「スポット(部分)依頼」
- 丸ごと裁判を依頼すると高額になりますが、「最初の催告書(内容証明郵便)の作成と送付だけ」「財産開示の手続きだけ」といった形で、ピンポイントで弁護士の「名前」と「職権」を借りる方法です。これなら数万円程度の予算でプロの圧力をかけることができます。
💡 コラムの総括:戦いは「仕組み」を作った側の勝ち
養育費の不払い解決とは、相手への復讐ではなく、子どもが健やかに育つための「正当な権利の回収」です。
相手の「払いたくない」というワガママな感情に、あなたの貴重な時間や精神力を付き合わせる必要はありません。日本の法制度や行政のサポートは、確実に「逃げ得を許さない方向」へアップデートされています。
大切なのは一歩目を踏み出すこと。
「どうせ無理だろう」とあきらめる前に、まずは役所の法律相談(無料)や法テラスの窓口へ書類を持っていくこと。その事務的な一歩が、数年後に数百万円という形になって、子どもの未来を支える大きな盾となります。

