「新しい家族」は不払いの正当な理由にならない
「再婚して新しい子どもが生まれた。生活が苦しいから養育費を減らしてほしい」 不払い者からこのように告げられたとき、多くの同級親は「相手にも生活があるから仕方ないのかも……」と弱気になってしまいます。しかし、法律の解釈はそれほど甘くありません。第2回では、相手の身勝手な「減額アピール」を封じ込めるロジックを整理します。
1. 「勝手な減額」は法律違反
まず大前提として、相手が勝手に振込額を減らすことは、たとえ再婚や出産があっても許されません。 養育費の額は、家庭裁判所の調停や公正証書で一度決まった以上、「再度、合意するか、裁判所の決定(減額調停)が出るまで」は、以前の金額を全額支払う義務が継続します。相手が「大変だから来月から減らすね」と言ってきても、それは法的には単なる「未払い」です。
2. 「再婚」だけでは減額の理由にならない
不払い者は「再婚=生活が苦しくなる=減額」と考えがちですが、実務は逆です。 例えば、相手の再婚相手に十分な収入がある場合、相手自身の生活費負担が減るため、逆に「養育費を支払う余力が増えた」とみなされるケースすらあります。「再婚したから金がない」という主張は、家計全体の収支を証明しない限り、法的な説得力を持ちません。
3. 「先着順」ではないが、既得権は守られる
新しい子どもが生まれた場合、確かに扶養家族が増えるため、計算上は減額が認められる可能性はあります。しかし、それは自動的に決まるものではありません。 裁判所は「今、目の前にいる子」の生活水準が著しく下がることを嫌います。相手が減額を申し立ててきても、あなた側が「こちらも物価高や教育費で支出が増えている」と対抗することで、結果的に微減にとどまったり、据え置きになったりすることも珍しくありません。
コラムのツボ:「許可」を与えるのはあなたではない
相手から減額を打診されたとき、最も重要なのは「安易に返事をしないこと」です。 「分かりました」「仕方ないですね」といったメールやLINEの返信一通が、後に「合意があった」とみなされ、不利な証拠になるリスクがあるからです。
相手が泣きついてきても、こう答えるだけで十分です。 「私の一存では決められません。不服があるなら、裁判所に減額調停を申し立ててください」
裁判所を通すとなれば、相手は自分の全ての収入や新しい家族の資産をさらけ出す必要があります。そこまでして戦う覚悟がない不払い者は、この一言で引き下がることが多いのです。相手の人生のドラマに、あなたの子どもの権利を付き合わせる必要はありません。

