【連載:養育費未払い被害者の声5】

養育費回収事例集

第5回:「お前が再婚したから払わない」――相手の誤解と身勝手な論理を粉砕する

「再婚したんだってな? おめでとう。じゃあ新しい旦那に養ってもらえよ。もう養育費は振り込まないからな」

お母さんが新しい人生の一歩を踏み出した途端、それを「支払い停止の免罪符」にする元配偶者が後を絶ちません。しかし、これこそが養育費問題における最大の「勘違い」であり、法的には全く通用しない身勝手な論理です。

1. お母さんの再婚 = 支払い義務消滅、ではありません

まず明確にしておくべきは、「元妻(お母さん)が再婚しただけでは、実の父親の養育費支払い義務は1円も減らない」という法的な原則です。 相手方は「新しい父親ができたんだから、そいつが払うべきだ」と主張しますが、法律上の親子関係(実父と子)は、お母さんが誰と結婚しようが変わることはありません。実の父親としての責任は、依然として継続します。

2. 弁護士が突きつける「養子縁組」の壁

相手方が強気に「払わない」と言い張る根拠の多くは、再婚相手とお子さんの「養子縁組」にあります。 確かに、お子さんが再婚相手と普通養子縁組をした場合、再婚相手が「第一次的な扶養義務者」となります。しかし、それでもなお以下のルールが適用されます。

  • 自動的にゼロにはならない: 再婚相手の収入が低かったり、実父の収入が非常に高かったりする場合、実父は「不足分」を支払う義務を負い続けます。
  • 勝手な停止は不法行為: もし減額の可能性があるケースだとしても、裁判所での減額調停が成立するまでは、勝手に振込を止めることは許されません。弁護士は、この「法的手順を無視した独断での不払い」を厳しく追及します。

3. 「被害者の声」:Gさんのケース

「幸せになるなら金は出さないと言われました」と語るGさん。お母さんであるGさんの再婚を知った元配偶者は、嫌がらせのように振込を止め、LINEで暴言を吐いてきました。 弁護士が介入し、相手方へ通知を送りました。 「お母さんの幸福と、子どもの権利は別問題である」 「法的根拠のない一方的な支払い停止は、直ちに給与の差し押さえ対象となる」 プロが介在して警告したところ、相手方は「ネットで再婚したら払わなくていいと書いてあった」と動揺。しかし、弁護士から正確な法理を突きつけられ、観念して支払いを再開しました。

4. 弁護士という「フィルター」の重要性

お母さんの再婚というデリケートな時期に、元配偶者から「新しい男に養ってもらえ」といった無神経な連絡が来ることは、新しい家族の平穏を乱す深刻な問題です。 弁護士が窓口になることで、こうした不当なバッシングや「再婚したならもう他人だ」といった暴論をすべて遮断します。法的な義務を淡々と遂行させ、新しい家庭の幸せを不当な干渉から守り抜くのが弁護士の役割なのです。